第2メコン国際橋の完成とともに、大きく動き出した東西回廊ではあるが、この先東西回廊を利用した陸路輸送が発展していくためには、解決しなければならない課題も多い。主な課題としては、次の2点が挙げられる。
*トラックの相互乗り入れ
ベトナム~ラオス間、ラオス~タイ間の2国間においてはトラックの相互乗り入れが認められているが、ベトナム~ラオス~タイの3国間の相互乗り入れはまだ認められていない。
そのため、一つのトラックで3国間を貨物輸送することは叶わず、途中ラオスで貨物の積み替えを行うことが必要となる。
*通関手続き
現在、輸出国と輸入国のそれぞれで通関手続きを行うことが必要であり、煩雑なものとなっている。
また、上記に挙げた制度上の課題のほか、タイからベトナムに流れる貨物はあってもベトナムからタイへ流れる貨物が無い現状においては輸送コストが下がらないというトラックの「片荷」問題などもあり、直ちにこの輸送ルートを採用しようとする企業は少ないというのが事実である。
しかしながら、関係国・機関間の問題点解決のための話し合いや、各輸送業者によるロードサーベイ、トライアル輸送等は着実に行われており、陸路輸送実現へ向けた取り組みは、一歩一歩前進している。
インドネシア半島上を大量の貨物が陸路輸送されるようになり、東西回廊が主要な物流ルートとして確固たる地位を築く日が来るのもそう遠くはないのかもしれない。
*ダムの建設・水力発電の開発
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